昨年、弁理士試験に合格しましたが、すぐに弁理士を名乗れるわけではなく、実務修習という研修を受けて修了する必要があります。
ということで1月~2月の期間に実務修習を受けてきました。
1. 実務修習について
実務修習は1年に1度、開催されます。
開講式や事前課題を含めると12月中旬に始まり、1月初旬から2月中旬までの期間に集合研修が行われます。
例年、弁理士試験の合格発表が11月初旬にあった後、11月中旬に申し込む必要があります。
申し込み期間は1週間程度しかなく、その期間に申し込みを逃すとその年度の実務修習は受けられないので注意が必要です。
受講料として約12万円かかります。
特許事務所に勤務していたり、企業の知財部で働いていたりすると会社に費用を払ってもらえる人もいるようです。
e-ラーニング研修とオンラインの集合研修を受ける必要があります。
2. e-ラーニング研修
特許、意匠、商標の実務に関する講義や弁理士試験にはなかった弁理士法に関する講義などのe-ラーニングを受ける必要があります。
50時間分ぐらいあり、所々確認テストも設定されています。
特に、1回目に聞く際は倍速視聴ができない設定となっており、けっこう時間もかかるため計画的に受講する必要があります。
内容的には、特許、意匠、商標の出願をするために必要な願書や明細書の書き方、特許庁での審査の基準、先行調査の仕方など弁理士業務に必要な知識を網羅的に学ぶことができ、非常に有益でした。
3. オンライン集合研修
1月〜2月の期間に行われます。27時間分の講義で、コロナ禍後はZoomを使ってオンラインで開催されているようです。
開催日は土曜日、金曜日、平日の夜など複数設定されており、コース選択が可能でした。
平日は仕事をしている人も多く、土曜日に受講されている方が多かった印象ですが、特許事務所や企業の知財部で働いている人は業務の一環として平日受講される方もいるようです。
内容としては、出願に必要な願書や明細書の書き方、拒絶審査された場合の対応の仕方など弁理士業務の根幹に当たるものであり、弁理士業務をされている弁理士の先生から実務的な話も交えて教えてもらえるので、非常に勉強になりました。
講義を受ける前に事前課題というものが設定されており、講義内容に沿って願書や明細書などを自分の手で作成し、期限までに提出する必要があります。
提出期限が年末年始の時期に設定されていることに加え、提出した事前課題の質が講師の先生の基準に満たない場合は再提出となるので、けっこう大変でした。
(提出期限を過ぎたり、同じ課題で再提出が続いたりすると、単位が認められず修了できなくなるので適当にこなすわけにもいきません)
受講生としては、弁理士試験の合格者が多かった印象ですが、特許庁で審査官として一定期間勤務されていた方や弁護士の先生も受講されていたようです。
どの講義にもグループワークの時間が設けられており、受講生同士で話す機会もありましたが、特許事務所や企業の知財部など普段から知財の実務を専門でやられている人から研究や開発など知財以外の業務をやられている人などバックグラウンドは様々でした。
また、知財業務をやられている方の中にも、特許であれば化学、バイオ、機械、電気、ソフトウェアのいずれかを専門とされていたり、意匠あるいは商標を専門とされているなど、実務修習の全部の内容に精通している人はほとんどいなかった気がします。
事前課題は大変ですが、再提出になった場合でも、真面目に講義を聞き、講師の先生が言った内容をきちんと反映して再提出すれば、実務に精通していない人でもクリア(修了)できるようになっていると思います。
最後に
e-ラーニング、毎週の長時間の講義、事前課題など大変ではありましたが、弁理士業務に必要なことを色々学べたので、内容的には満足しています。
集合研修自体は終わりましたが、3月中旬の修了式を経て修了となる見込みです。
最後まで読んでいただきありありがとうございました。