例年、弁理士試験は5月中旬の日曜日に1次試験として短答試験があります。
短答試験を通過すれば次は論文試験ですが、短答試験から論文試験までは例年6週間(約40日)あります。
今回は論文試験直前期の過ごし方について紹介します。
このブログの筆者について
- 働きながら約1年半、予備校に通い勉強
- 弁理士試験に1回で合格 (一発合格)
- 論文試験を各科目65点以上で通過
論文試験の心構え
論文試験は相対評価なので周りができているところをいかに落とさないかが大切になります。
勉強する際も、過去問で一度出たことがある論点は周りの受験生もできるだろうと考え、本番で再び問われた際も確実に回答できるように準備していました。
過去問自体は特許庁が公開しており、無料で入手することもできますが、解答・解説が重要になるので予備校が販売しているものを使用していました。
LECが出している過去問集は7年分が収録されており、本格的な予備校の講座よりも比較的安価で入手できます。
受験生の母集団も、最低7年分はやり込んでくると考え、準備しました。
大体3〜4周(できていないところは個別に5周)し、本番に臨みました。
2週間単位で計画を立てる
論文試験直前期の6週間を2週間単位で分けて計画を立て、2週間×3セットで取り組んでいました。
最初の2週間
- インプット: 過去問の復習
- アウトプット: 模試・答練
インプットとして過去問を通し、論文試験で問われる論点や書き方を復習しました。
短答試験が終わるまで短答試験の勉強に専念していたこともあり、論文試験の勉強を再開したときは答案の書き方を大分忘れていました。
勘を取り戻すのに時間がかかり、この2週間の模試や答練は大してできませんでした(点数も30〜60点台とマチマチでした)。
が、あまり深く気にしませんでした。
とりあえず模試や答練を通し、実際に手を動かして回答を作り、答案の書き方を思い出すように心がけていました。
短答試験直後の2週間の時期に模試や答練を受けるべきか?については、過去問の勉強がどれだけ終わっているかがポイントになります。
例えば、短答試験が終わって初めて論文試験の過去問を解くような方は、最初の2週間は模試や答練は受けずに過去問の演習を優先して取り組んでも良いと思います。
過去問の勉強が十分でない方がこの時期に模試や答練をやっても、何を問われているのか、何を書くべきかわからず、消化不良になります。
私は短答試験の直前期(4〜5月)の前に過去問を2周やっていたので、論文試験で問われる最低限の論点は知っており、模試や答練で自分の手で回答を書けないまでも、解答・解説を読めば6, 7割はわかる状態でした。
模試や答練では初めて見る論点だったり、過去問で出たことがあるが自分の手で書けていない論点など当然ありますが、試験本番までの時間を使って復習するようにしていました。
真ん中の2週間
- インプット: 過去問の復習
- アウトプット: 模試、答練
この時期は論文試験の答案の書き方を思い出してきており、最初の2週間よりも模試や答練で自分で回答を書けるようになってきたと感じられた時期でした。
点数も素点で50〜60点台が多かったです。
ただし、周りの受験生も同じように書けるようになってきており、模試や答練の成績(偏差値)は思ったほど伸びませんでした。
このときも成績はあまり気にせず、母集団から外れないことを意識し、多くの受験生が書いているであろう基本事項を書き落とさないように心がけていました。
最後の2週間
- インプット: 過去問、模試、答練の復習
- アウトプット: 上記の復習を通し答案構成
模試や答練も終わり、本番までの時間も限られてきます。
ここまでの4週間の模試と答練の機会を通し、回答を書く力は戻ってきたと感じてたので、時間の都合上、この時期は回答を全文書くようなアウトプットはせず、答案構成(論点となる項目挙げ)のみにとどめていました。
復習は過去問でしっかり覚え切れていないところ、模試や答練でできなかったところを中心に行っていました。
模試や答練は過去問に出たことのない新作の問題も多く、本番で似たような問題が出る可能性も十分あります。
せっかく模試や答練でやった問題なのに、本番できなかった、、、となるのは嫌だったので可能な限り復習しました。
もちろん時間に限りもあるので内容によって多少見切りもつけています。
予備校では模試や答練で成績が良かった受験生の答案を優秀答案として公開していることもあり、私も参考にしていました。
自分は書けていないが、優秀答案では書かれている論点は押さえるべきポイントと思ってしっかり復習し、優秀答案でも書けていない論点は軽く振り返るにとどめました。
最後に
論文試験は相対評価です。
大多数の受験生が不完全ながら試験当日を迎えます。
そして、試験本番は緊張もあり、初見の問題も出てくるので完璧な答案はまず書けません (私も当然書けていません)。
それでも十分合格になります。
6週間の期間も試験本番当日も最後の最後まで諦めず、1点でも多く取る気持ちで臨んで欲しいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。